訳書の「ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術」が発売されて3ヵ月がたちました。お買い求めくださった皆さま、誠にありがとうございます!
おかげさまで2刷、3刷、と増版を重ねる流れができ、感謝の気持ちでいっぱいです。英語の論文ライティングや翻訳にかかわる方のお役に少しでもお役に立てればうれしいです。
先日は医道の日本社様が「医道の日本 2月号」の新刊紹介コーナーにご掲載くださいました。ありがとうございます。
多くの方が手にとってくださりとてもうれしいです。今回は感謝の気持ちを込めて、翻訳中などに参考にした本の一部を紹介させていただきます。類書をお探しのときに参考にしていただければと思います。
論文関係と文法関係の本を挙げました。特に気に入っている本を簡単ですが以下にリストアップします(敬称略)。
1. 「英語論文ライティング教本」中山 裕木子(著)
英語論文ライティング教本 ―正確・明確・簡潔に書く技法― (KS語学専門書)
出版社が訳書「ネイティブが教える…」と同じ講談社ということもあり、一番参考にさせていただきました。リライト例が多く掲載されていてわかりやすいです。冠詞を決めるためのフローチャートはどのような分野の英文ライティングでも役に立つと思います。論文英語だけでなくスピーキングや英語学習全般の方法についてもコラムがあります。カラーで見やすいレイアウトです。
2. 「臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意」原 正彦 (著)
臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意 (すべての臨床医に捧ぐ超現場重視型の臨床研究指南書)
ライティングだけではなく論文を書く前の段階(メンター探しや課題選定など)から解説されています。臨床研究の流れや背景、仕事の進め方を知りたい方にお勧めです。
3. 「必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則」康永 秀生 (著)
論文英語についてコンパクトにまとまっています。ライティングにフォーカスした、日本人著者の本を読みたい方にお勧めです。
4. 理系研究者のためのアカデミック ライティング ヒラリー・グラスマン-ディール (著), 甲斐 基文 (翻訳), 小島 正樹 (翻訳)
こちらも論文英語のライティングにフォーカスした本ですが、翻訳本です。翻訳者が2人いらっしゃる共訳書ということで、私も共訳でしたので個人的には仕事の進め方なども参考にさせていただきました。例文が多く、接頭辞や略語、ラテン語やギリシア語などをまとめた付録が巻末についています。
5. NASAに学ぶ 英語論文・レポートの書き方 メアリ・K・マカスキル (著), 片岡英樹 訳・解説
NASAに学ぶ 英語論文・レポートの書き方 -NASA SP-7084テクニカルライティング-
こちらも翻訳書ですが、文法や句読点の使い方なども詳しいです。
6. 英文校正会社が教える 英語論文のミス100 エディテージ (著), 熊沢 美穂子 (翻訳)
分野別に日本人によくあるミスがまとめられています。落とし穴チェックによいと思います。
7. Dr. 押味の あなたの医学英語 なんとかします! 押味 貴之 (著)
医学論文の読解やプレゼン、症例報告などを学べます。
8. 日本人の英語 マーク・ピーターセン (著)
1988年第1刷のベストセラー。本のタイトルからはわかりにくいですが、論文英語が取り上げられています。新書で手軽なので、ときどき外出時に持ち歩いて復習しています。
9. マスターしておきたい技術英語の基本-決定版- Richard Cowell (著), 佘 錦華 (著)
私が持っているのは古い版ですが、論文によく使われる単語や表現で間違いやすいポイントがまとまっています。
10. ロイヤル英文法―徹底例解 綿貫 陽 (著), 須貝 猛敏 (著), 宮川 幸久 (著), 高松 尚弘 (著)
文法書。私は普段、PCで引いています。
11. 英文法解説 江川 泰一郎 (著)
何か詳しい英文法書を一冊ほしいならこれを買っておくと、たいていのことは載っています。
12. アクセプト率をグッとアップさせるネイティブ発想の医学英語論文 プロ翻訳家が伝えたい50の基本動詞と読めるのに書けない英語表現 前平 謙二 (著)
共訳者の前平さんの著書です。自然な英語を書くために使える表現が満載です。
アクセプト率をグッとアップさせるネイティブ発想の医学英語論文: プロ翻訳家が伝えたい50の基本動詞と読めるのに書けない英語表現
以上、論文など英語ライティングで困ったときや勉強したいときに参考になれば幸いです。
自宅の本棚より(分厚さのチェックにどうぞ)
「ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術 」にはAmazonにレビューも頂きありがたいです。上記の写真の中央にありますが、決して薄っぺらい本ではありません。でも、かなりの情報が網羅されているので、これ一冊あればさまざまな場面に対応できると思います。ご興味あれば手に取っていただけるとうれしいです。
ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術(講談社サイエンティフィク)