昨日は翻訳フォーラムさんがZoomで実施してくださったシンポジウムに参加しました。
(翻訳フォーラムからのお知らせ)(翻訳フォーラム公式YouTube)
ご登壇者の本
毎年リアルで開催されてきたこのシンポジウムについては聞いたことがありましたが遠方のため参加が難しく、今回はオンラインで実施してくださるとのことで初めて参加してみました。
自宅から参加できるのはお手軽とはいえ、家族に対応しなければならない時間もあってすべてを視聴できたわけではないのですが、8~9割程度は聞くことができてとてもうれしかったです!
「翻訳のレッスン」裏表紙
テーマは「力のつけ方・のばし方」。
最近、仕事中心になっていて、英語の学習は日課となっているものの直接、翻訳のためになっているかどうかというと自信がない部分があったので、初心に返るためにも自分にピッタリのテーマでした。
シンポジウムで取り上げられた本を本棚から出してきました。
このうち「てにをは辞典」についてはヘビーユーザーといってもいいと思います。
英和辞典を引いても訳語が決まらないとき、次にひくことが多く、すぐ手に取れるところに置いています。
紙の辞書で唯一、普段から使う辞書です。
シンポジウムの中で日本語文法の用語(?)として「機能語」が出てきました。
私は今まで知らなかった用語なのですが、助詞や助動詞などのことのようで、当日は「ほど」について取り上げられました。
例えば「泣きたいほど」「散歩することほど」などで使う「ほど」です。
さまざまな使い方について深く議論していらっしゃって、ここまで掘り下げるのかと感動し、尊敬し、ときには私も仕事でそれぐらい調べることがあるので自分だけじゃないのだとホッとしたりもしました。
訳文のこまかな見直しのことを「てにをはを整える」と表現することがありますが、機能語と似ているのかなと思いました。
この『技術翻訳のスキル』には日本語シャドーイングの方法が詳しく載っています。
当日、「翻訳に役立つシャドウイング」というタイトルでお話があったので久しぶりにこの本を開きました。
「母語(第一言語、得意な方の言語)でのシャドウイング」などの部分にしっかり蛍光ペンをひいていた自分(でも結局、その後やってなかった……)。
詳しい効能ややり方はこの本に載っていますが、実際に今朝、やってみました。
日本語のAMやFMのラジオをradikoで適当につけて、CMやDJの語り、アナウンサーのニュースを5分シャドーイング。
母語とはいえ耳慣れない単語にはついていけない部分もありますが、楽しく発声練習ができたと感じました。
英語の場合、内容をちゃんと理解して、知らない単語は意味調べをして、それからシャドーイングをしないとあまり効果がないと思いますが、日本語ではさすがに母語なのでこの部分は省略してぶっつけ本番でシャドーイングをできると思います。
気軽にできるし、他人が話す言葉を真似することは、実際に仕事をするときに自然な日本語が出る基礎練習になるのではないかなと感じました。
シンポジウムでもおっしゃってましたが、英日の場合、どうしても英語に引きずられた訳文を作りがちです。
それをできるだけ無意識に避けるために、自然な日本語を体に覚え込ませる効果があるように思いました。
先ほど書いた「機能語」についても正しく使い分けられるようにする練習になる気がします。
これからしばらく続けてみようと思います!
これは特に和訳をする方向けの日本語力をつけるトレーニング方法ではないかなと思いました。
こちらも日本語についてですが、誤解されにくい文章を書くヒントをたくさんもらえると思います。
上記はシンポジウムで取り上げられた本のほんの一部です。
他の本やウェブサイトについて公開してくださっていますので、ご興味ある方はのぞいてみてください。
たまたま日本語関連の本ばかりになってしまいましたが、リンク先には英語関連の本もあります。
幹事の皆さんによる本には「どうしたら翻訳が上手になれますか?」などよくある疑問に答えるコーナーなどもあって参考になると思います。
できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン (講談社パワー・イングリッシュ)
「どうしたら翻訳が上手になれますか?」については、「少しでも多くのことを考えて」「数やるしかない」「うまい人と練習する」など納得の回答が掲載されています。
丸一日のシンポジウムの一つひとつのご講演について感想を書きたいところですが、長くなりすぎるので今日はこのあたりにしておきます。
貴重な知識やご経験をシェアしてくださり、お時間を割いてくださった運営やご登壇の皆さんに感謝しています。ありがとうございました!