翻訳者の暮らし

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『モモ』を高山みなみさんの朗読で

ミヒャエル・エンデが書いた名作『モモ』を声優の高山みなみさんの朗読で味わい直しました。ずっと以前に映画を見たことはあるのですが、しばらく前にAudibleの作品があると知り、気になっていました。

 

高山みなみさんは「名探偵コナン」で江戸川コナン役をしていらっしゃることなどで有名ですよね。特にファンというわけではないのですが、しばらく前に娘とコナンの映画を見に行ったこともあり、この作品も聞いてみることにしました。

 

簡単にあらすじを書くと、モモという名の女の子が時間を奪っていく「時間泥棒」とたたかう物語です。かわいらしくあどけない子どもが、豊かな時間とは何かについて教えてくれます。

モモ: 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

上記は本のリンクなのですが、長い副題が端的に物語を要約していますね。私は映画とAudible版しか知らないのですが、この本の中には著者が描いた挿し絵も多く掲載されているそうです。表紙の絵を見るだけでもとても魅力的です。

 

Audibleでは高山みなみさんが数多くの声色を使い分けながら臨場感たっぷりに『モモ』を語っています。レビューを見ると、音量バランスについてコメントが入っていて、購入前に聞こうかどうしようか少し悩んだのですが、実際に聞いてみるとまったく気になりませんでした。高山さんの表現力に圧倒され、時間という全ての人に与えられるけれど豊かに使えている人が多いとはいえないものについて考えさせられました(イヤホンを使わず、スマホやPCのスピーカーでそのまま聞くと音量バランスを気にせずに聞けると思います)。

 

児童文学という分野に入っている本ですが、大人の方が時間の使い方や人生、寿命について考えさせられるかもしれません。

 

モモ

コナン君の声でなじみのある子どもも楽しめると思います。また、本編の後には訳者のあとがきや解説も朗読されていて、ドイツ文学や翻訳を知るという意味では翻訳に興味のある人も楽しめると思います。

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