数々の賞を受賞した『地下鉄道』(コルソン・ホワイトヘッド著、谷崎由依訳)を読みました。
まだ奴隷制が残っていた頃のアメリカを舞台とした小説です。
15歳の奴隷の女の子がプランテーションから逃亡しようとするのですが、奴隷狩りに追われて筆舌に尽くしがたい苦難を経験します。
果たして逃亡は成功するのかというのがメインストーリー。
フィクションですが、背景となる奴隷制や奴隷が経験してきた悲劇などは綿密な調査に基づいています。
かなり残酷な痛めつけられ方をしていたことや、奴隷たちを救おうと命がけで闘ってきた人たちがいたことは事実。
悲惨な死を遂げた奴隷や逃亡に手を貸したために殺された白人たちの話を読むのはしんどい。
一方でこのような歴史があったことは知っておきたいと強く思っているので興味深く読めました。
文体は少し硬く、難しい部分もありました。
でも単純に逃亡劇を楽しむ視点もあるので、重すぎず読み切れました。
本を読む度に、視野が広がります。
以前、子どもから奴隷について聞かれたことがあったのですが、もっと早くこの本を読んでいたらもう少し良い説明ができたのにと思います。
次の機会にはもう少し良い説明をできると思います!
☆現在読書中☆