翻訳者の暮らし

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『はじめての学会発表 症例報告』國松淳和著

副題に「レジデントがはじめて学会で症例報告をするための 8 scene」とあるように、国内で発表する医師向けの本です(2016年初版)。

 

 

メディカル関係の翻訳をするようになると、学術大会(学会)に関連する抄録やスライド、論文などの案件が増えてくることもあると思います。テーマとなる分野の専門用語を知ることは重要ですが、もし文系出身などであまり学会そのものに関する知識がない場合は、この本を読むことで流れがわかると思います。

 

私は製薬会社で働いていたときに学会に連れて行ってもらったことはあるのですが、大きな会場で聞くだけの立場でしたし、発表する側のことは何も知らなかったので、この本を読んではじめて知る用語や仕組みも多くありました。

 

はじめての学会発表 症例報告―レジデントがはじめて学会で症例報告をするための8scene

 

前回書いた『オラフ教授式 理工系のたのしい英語プレゼン術77』とほぼ同じページ数のプレゼン本ですが、英語でのプレゼンについてはほとんど触れられず、日本語でのプレゼンやポスター発表に焦点が当たっています。

随所にマンガが織り込まれて読みやすくなっているほか、実名での体験談が多く掲載されているので、学会での発表を控えている方はもちろんのこと、関連文書の翻訳に備えたい人にも役立つと思います。どのような場面で必要になる文書かを理解して訳す助けになると思います。

 

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